体重計に乗りました。 でも、数字が出ない。
10秒待っても、1分待っても、出ない。 表示されるのは……2か月後。
「いや、壊れてるやろ」
そう思いますよね。普通そう思います。
エアコンも同じです。 リモコンで26℃に下げる。
でも涼しくなるのは2か月後。 ……これも「故障」ですよね。 もう寒くなっているかもです。
押したり、測ったりしても、動くのが 2か月後。 私たちは、そういうものを「壊れている」と呼びます。
――ところが。
まったく同じことを、毎月まじめに続けている現場があります。 しかも、誰も「壊れている」とは言いません。
会社の数字です。
運送業の経営支援をしていると、よくこういう場面に出会います。
4月に燃料費がぐっと上がった。逆に、頑張って走った分の売上も伸びた。 でも、そのどちらも、数字として社長の手元に届くのは6月です。 月次決算が締まって、試算表が出てくる頃には、もう2か月が経っている。
コストが増えたのも、売上が伸びたのも、両方とも手応えは2か月後。 つまり、「今、儲かっているのか」が、今は分からない。
「あれ、思ったより利益が残ってない」と気づいたときには、 その原因はとっくに過去のもので、打てる手も、半分くらい消えています。
アクセルを踏んだ感触も、ブレーキの効きも、2か月後にしか分からない。 それ、目隠しで運転しているのと同じです。 さっきの”壊れた体重計”と、まったく同じ構造です。
数字は、テストの結果を後から知らされる「通知簿」じゃありません。 本当は、押したらすぐ効く「リモコン」であるべきなんです。
今日仕入れを変えたら、今日その影響が見える。
今週の配車をいじったら、今週その差が分かる。 ――そうやって、動かした瞬間に動く数字があれば、経営はぐっと楽しくなります。
ちなみに、ボタンを押して2か月後にジャンプするゲームがあったら、誰も遊びません。 でも会社の数字では、それを毎月やっているんです。
「2か月後にしか表示されない体重計」を、卒業しませんか。
……そういえば私、今まさに人生最高記録を更新中で、ダイエットの真っ最中です。
これがもし2か月遅れで表示される体重計だったら……本当に怖い・・・
会社の数字も、きっと同じなんですよね。
株式会社京都みえる化デザイン研究所 中小企業診断士 平澤貴啓

